2016年北谷リーグ公式戦 第7節 花栗シルバー vs シャーク
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シルバー | 0 | 7 | 3 | 4 | 0 | 1 | 8 | 23 |
シャーク | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
勝:伊藤(真)(1勝2敗)
負:キクチ
バッテリー
シ:田中(宏)、伊藤(真) – 小島、二瓶
シャ:キクチ、ヒラヤマ – 某
本塁打
シ:渡久地 3,4号、二瓶 1号
シャ:
戦評
いつもの打順、いつものポジションに、彼の名前はなかった。
一番、ショート、中山。
彼について語り尽くすことは僕には出来ないし、あるいは世界中の誰もがそんなことは出来ないかもしれない。
ともかく、彼は突然僕らの前から去って行った--接待ゴルフ--まるで昭和の営業マンのような理由で。
誰もその事実をうまく飲み込めていない。
変わりにスタメンに入った大学生の渡久地--確か興南高校出身だったと思う--は、毎打席決まってヒットを打っていた。
それはまるで満員電車の椅子取りゲームのように、自ら席を立った中山氏の椅子にゆったりと腰掛け、優越感に浸りながら嘲笑っているかのようだった。
そして僕は4回からマウンドに上がった。
僕が自信を持って投げ込んだボールは、まるで絹糸のような美しい軌道を描き、ストライクゾーンを通過してキャッチャーミットに吸い込まれた。
正確には、吸い込まれたように見えた。
コースが外れていたんじゃないかって言う人もいる。
とにかく僕にはストライクに見えたんだ。
「ボール」
何が何だかわからなかった。
まるで壁に書かれた大きな文字を読み上げているような声だった。
本当に壁にそう書いてあるのかもしれないなと、僕は思った。
けれど、落ち込んでいても仕方がないので「なるほど」とだけ言った。
もちろん、何も納得はしていない。
今だってそうだ。
そして何かを吹っ切ったように、かすかな微笑を口もとに浮かべた。風のない日に静かに立ちのぼる小さな煙のような微笑みだった。
僕は立ち直り、最後の打者を打ち取った。
それで終わりだ。この話に続きはないし、それ以上でもそれ以下でもない。
ある時期に、花栗シルバーとシャークが試合をし、僕が勝利投手となった。
それだけだ。
来週もどこかで同じような試合をするかもしれない。
ひょっとしたら、ジャスティン・ビーバーの前とかで。
(おわり)
# 村上春樹風
打者成績
位置 | 選手 | 通算打率 | 打数 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 四死球 | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
(遊) | 渡久地 | .786 | 6 | 6 | 1 | 0 | 2 | 6 | 0 | 1 |
(二中) | 田中(秀) | .214 | 5 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
(捕) | 小島 | .556 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
右 | 登利谷 | .200 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
(中投) | 伊藤(真) | .462 | 5 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 |
(左) | 下田 | .467 | 6 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
(三捕) | 二瓶 | .250 | 3 | 2 | 0 | 1 | 1 | 4 | 3 | 0 |
(一) | 伊藤(停) | .417 | 6 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
(右三) | 伊藤(守) | .042 | 5 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 |
(投二) | 田中(宏) | .125 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 |
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